地球の救世主、地球人最強の男、ミスター・サタン

 ドラゴンボールという、まあ世界中の人が知っているというマンガがありますが、あの有名キャラクター群の中で、私は『ミスターサタン』というキャラクターが一番好きです。 知らない人も多いと思います。ミスターサタンはビーデルさんのお父さんです。こう書くとむしろ混乱するか。 ええと、弱いです。 えらい弱い胸毛の多い調子のいいおっさんです。一応天下一武道会で優勝しているので、人間の中ではまあ強いほうなのですが、悟空とかピッコロとかに比べると虫のごとく弱いです。 弱い上にでかい口をたたくので非常に腹立たしいオッサンなのですが、後半になると出番が増えます。あげく世界を救ったことになったりします。 経緯は読んでもらったほうが面白いので省きますが、一応世界チャンピオンなので、セルとか魔人ブゥとか、とにかく驚異的に悪い奴が出てくると行かないわけにはいかないので、弱いけど行くわけです。 実際には弱いので役にたたず、結局は敵は悟空にやっつけてもらいます。 このオッサンのどこがええねん。というツッコミが当然発生しますね。 その頃のドラゴンボールはバトル色が強くなっていき、つれて売れ行きも上がっていったらしいですが、いくら工夫して面白く作っても、バトルというのはどうしても一本のパターンが決まってしまいます。 強い相手が出てきて、それに立ち向かうために工夫したり修行したりこっちも強くなって、そして勝つというパターンです。 悟空の息子が出てきたり、キャラが多くなったりで手数は増えるのですが、結局悟空が主役なので彼が最後を決めなければならず、それよりは強くない。というかあんま活躍できない。 また、相手を強くすればこっちも強くしなくてはいけないので、超サイヤ人とかどんどん人間離れしてしまい、悟空とベジータは宇宙人だし、悟飯はハーフ、ピッコロはナメック星人で、早い話が使えるキャラで地球人がいなくなってしまいました。ヤムチャや天津飯やクリリンとかは弱いし、「ギャルのパンティおくれ」で有名なウーロンは出ることすら無くなってしまった……。  というか話としては『星ひとつ簡単に消し飛ばすことができる』ような敵になってしまったので、そんな戦場に普通の人間がいること自体不可能になってしまいます。 でもやってくることになったオッサンのサタン。あぶない、危ないよ! サタンはアホなので相手との実力差も分からず、ベジータに「バカの世界チャンピオンだ」とまで言われてしまいます。まあ私から見ればベジータも別の角度でかなりのバカのチャンピオンなのですが。 しかしビビリながら弱いながらも、最初は倒すつもりだった魔人ブゥと仲良くなったり、元気玉を集めるのを助けてくれたり、悟空を助けてやったりします。まあ、けっこう邪魔にもなるが。 確かにアホで弱くて邪魔でうるさいオッサンなのですが、サタンはその人間らしさでドラゴンボールの世界に面白さを与え、世界を救う一助となるのです。 というかサタンがいなかったら世界は救えなかったかもしれないよ! という影響を与えるのです。 というわけで、ドラゴンボールを見る機会があったら、是非サタンにも注目してあげてくれると嬉しいです。 サタンがいなければ、終盤のドラゴンボールは強い宇宙人が地球を救うだけの話になっていたかもしれません。もうそれじゃウルトラマンだよ。ウルトラ警備隊ぐらいにはサタンを思っていただけると幸いです。

ねこだれる

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