2人のさまよえる日本人2 フィンランド(雑貨店)の途中でもさまよいました

 なんかしらんが意外と盛り上がった中国画廊を出て、二人でもと来た道を辿ります。そこでフィンランドの雑貨店への地図を見て二人で確認。 住所がこうだから、ここからああ行ってこう曲がって、目印にスパーがあるんだね、と確認します。 よし確認した。よーしこれで大丈夫だろう。それ行こう。 この辺りは裏参道らしく、なんか立派な住宅の間にポコポコと、雑貨店や美容院やなんだかわからぬお店があります。遠目では何の店だかわからぬ感じのお店とか。ハロウィンのディスプレイとかしてあって面白いです。 名前も「ハイツ裏参道」「裏参道歯医者」「裏参道内科」みたいな、病院までもがなにかと裏参道を主張する土地柄な様子。西18丁目内科じゃやはりムードが出ないようです。 とりあえずどんどん進んでいますが、志紀さんがいるから大丈夫でしょう。 もっとどんどん進んでみましたが、志紀さんがいるから大丈……。 ……あー。? こんな進むんだったっけ? でも住所がうろおぼえです。というか志紀さんがいるから大丈夫だろうと思ってあんま覚える気がなかったんだ。見たとおり人任せ人生です。「志紀さん、雑貨屋、何丁目だったっけ?」「ああ、えーと……。何丁目?」 ……。しまった……。 ガサガサと、出発する前と同じように地図を確認する我々。どうやらお互いに住所を全く認識していなかったようです。 そういえば、志紀さんとは街中とか道のわかる場所では会ったことがあったけれど、こんな風に二人でさまようのは初めてです。 道すがら、志紀さんは自分が「道を知らなくてもどんどん進んでいくタイプだと人に言われる」ということをカミングアウト。なるほどそうでしたか。でも私の友人の中でこういうタイプは二例目なので大丈夫です。というか私も完全に人任せだったしな。 大丈夫。地図の住所によればあっちいってこっちいってこう行けば着くはずです。また迷っても連帯責任なので二人でまた彷徨いましょう。 というか、けっこう疲れてきました。すごくおなかがすいてきた! というわけではないけれども、まあまあすいてきました。「志紀さん、おなかすいた?」「というか、倒れる前にどこかに入ったほうが」 どちらかというと私の身を心配してくれたようです。まあ確かに倒れるのは大得意ですのでその通り。当初の予定通り、その辺にある店に入っ……。 たけえ!(しっかり食べれるほうのランチが2500円ぐらいとか) じゃあスープカレー! 悪くないですが、カレーな気分じゃないな……。辛いと自分大変なことになるので下調べしていない店も危険だし。 おっビクトリア! ここに来てビクトリアはないだろう……。というかお外のお店のハンバーグはなんか高確率でおなかを壊すので自分には危険です。ココスでも壊れたほどです。 しかし、体力もないのにそこらの店をことごとく断り続ける私。そろそろ決めないとマズいかもです。志紀さんも私の隠された特殊アビリティ『優柔不断』に怒り出すかもしれません。もはや天王星人を代表してやりきれない思いになりそうです。 もうそこのドイツパンのお店でも入っちゃおうかなと思ったところで雑貨屋も近くなってしまいました。 ので、先に雑貨屋を見てから決めよう! と言い出す私。だってもう考えるの疲れたし。別にケンカもしてないのになんとなく二人の間にもインターバルが必要です。というかフィンランドの雑貨屋がメインのはずだったのを忘れそうです。むしろ彷徨いがメインになりかけている。 辿りついたフィンランドの雑貨屋『vaasa』さんは、ビルの地下一階。ちょっと階段を降りたところにありました。入ってすぐの場所にカバンとか置いてあります。 中に入ると、ムーミンのポストカードとかムーミンの缶バッジとか切手とかタイルとか、かわいい柄のマスキングテープとかレースとかフィンランドのお菓子とか、フィンランドのかわいすぎるグッズが沢山ある……。 中でも私はアクセサリーケースにあった『ふくろうの指輪』というのがかなり欲しかったのですが、けっこう自分にはキツいお値段だったので断念。ふくろう……。そのかわりどれかチョコレートを買うことにしてみました。 そのそばで、志紀さんがムーミンのポストカードを手に持ちながら「これは!」とお菓子の棚の下側に置いているある物を発見しました。「ああっサルミアッキがある!」「ええっ、これがかの有名な! って詳しくはよく知らんけど!」「これは世界一まずい飴と言われている……。でも前ここに来た友達は「無かった」って言っていたのに!」 確かに私も名前は聞いたことがありましたが、札幌で買えるようなものだとは思いませんでした。シュールストレミングみたいに手に入りづらいものかと思ってた。しかも値段けっこう安いし。とりあえずレジに持って行きます。 店主の方がとてもお喋りの上手な、とても感じのよい方で羨ましかったです。これだけの実力があれば何をしても上手くやっていけそうな。いいなー。 店主さんの話によると、チョコレートってけっこう外国モノはベタッと変に甘いチョコが多いのに、フィンランドは日本みたいにけっこうどれも普通に美味しいらしいです。 サルミアッキに関しては……。「向こうでは薬と思って食べてるみたいです。黒くてグミみたいで、しょっぱいと思うとすっぱくて、すると甘いような……、なんか脳が混乱する味なんですよね……。それで混乱して、日本人はみんな『ぺいっ』って出してしまったりするんです。向こうは普通にみんな子供も食べてるんですが、やはり日本人の口には合わない……。私も一度に2、3個ぐらいしか仕入れません」 脳が混乱て。それ、本当に飴なんですか。 志紀さんに聞いたところ、カンゾウエキス(リコリス)がメインらしくて、身体にはいいそうです。ふおお。 ともあれお買い上げしてみました。サルミアッキは私は買わなかったが志紀さんに分けてもらうのです。どんな味か楽しみです。 ほくほくと店を出て、大通りを渡ったところで「ここにしませんか」と志紀さんがお店に突っ込みました。そうだそろそろなんか食べなくては。私はたまにおなかすいたの忘れて倒れることもあるので危険です。 メニューはナポリタン650円とか円山周辺地域なのになんか安いです。席には座れますがけっこうな盛況ぶり。混んでおる。 私はオムライス、志紀さんはナポリタンにしました。ふぃー。 外を見ると、金属製の人形が三体。妖精さんが二匹とバイオリン引きのおじさんです。どれも金属はいっしょっぽいのですが、おじさんだけ作者が違うように見えるなあ。まあいいですが。 ともあれさっきの志紀さんの戦利品を写真に撮らせてもらいましょう。 ムーミンやで! サルミアッキやで! なんでお菓子なのに、こんなトランプみたいな絵柄なんだろう。やっぱりあやしいな。 チョコレートも撮ったのですが、すんごいボケてしか映らなかったです。なんか光が弱くて難しい。 やがてゴハンがやってきました。なにこのオムライスうめえ! 確かにごはんはケチャップライスなだけで特別なものとかは入っていないのですが、たまごもデミソースもごはんもメチャうめえ! なにこれ! 志紀さんのナポリタンも貰ったのですが、うめえ! 具があらびきソーセージとタマネギなのにめちゃうめえ! スパゲティにはやはりケチャップがうめえ! というかコレ、こないだ夜中にどうしても麺が食べたくなって、ほぼ同じものを作って食べてたよ!(注:太ります) 安くてこんなに美味しいなんて、さすが混んでいるだけはあります。ケーキセットもありましたが、この値段なら昼ごはんのほうを取るよ。 しかしまあ、ごはんも食べたしこれで一安心です。よしこれで倒れないよ! 実は薬を三種類も持ってきたなんて秘密です。 次にどこに行くかなのですが、さっきの雑貨屋さんの、店主さんの旦那さんのほうがカフェをやっている様子なので、円山方面にドニチカキップを使って行ってみましょう。ドニチカキップとは、500円で札幌市営地下鉄乗り放題な切符です(土日限定)。 でもまた気がつけば長くなっているのでまた次回。なんでこんなに長くなるんだろう。基本彷徨ってるだけなのに……。

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