小娘3人若気が至った東京旅行のたびin1997 その2 やっぱりイルカと温泉ってすごくいいよねと思います編
1997年8月13日 雨
がたんごとーん。
がたんごとーん。 三十分くらいの遅れなら焦りもしますが、二時間くらいも遅れるともう悟りの域に達する我々。 考えたってもうどうしようもないよねーという気分が蔓延し、とりあえず北海道を脱出して予定通り青森までは行って、それから絶対間に合いそうにない次の列車について駅の人と交渉してみよー。ということになりました。だって遅れたの私達のせいじゃないし。 ともあれやっと日差し明るい函館駅にたどり着いてホームを歩き、しばらく経ってからIさんが恐ろしいことに気付いてしまいました。 「……列車に、サイフ、忘れた」 「「ええええええっ!」」 驚愕する留さんと私。これは大変です。弾薬をなくしてはどんなマシンガンも打ちようがありません。 「戻って探してくる!」 「急げ!」 大荷物をかかえて猛ダッシュする女子三人。若いなあ。とか言っている場合じゃありません。列車が出て行ったりしてしまえばかなり取り返しのつかない事態に発展します。 ダメだったら駅と警察に届けてとりあえず札幌に引き返すかとか思いを巡らしましたが、無事に回収できた様子。ほうー。 ゼーハー、ゼーハー。 「……」 「……」 この旅のペースで、心臓がもつのだろうか。 ちなみに後でみた留さんのメモには「サイフを枕の下に置くべからず」と書かれていました。うん。みんなやめようね。 とりあえず特急列車に乗って青森へ。なにやら明るくこぎれいな特急列車で、ようやく人心地ついた気がします。いややっぱカーペット席はちょっと身体負担が大きかったし。
とりあえず明るい車内で京極夏彦の鉄鼠の檻を読む留さん。今考えると、何故そんな重いものを。 辿りついた青森駅の窓口に行って、留さんとIさんが交渉してくれることになりました。なにせ次に乗る予定の特急はつかりは指定席だったのです。ここはJRになんとしても責任をとってもらわなしゃあない。 どうやら同じ列車の同じような状況のほかの人たちもいて、当たり前に交渉している模様。私は役立たずなので荷物番です。 二人が戻ってきました。 「どうだったの?」 「うん、JRの責任だからってきっぷ変えてくれて、お金を足して青森から上野まで特急一本で行くことになった」 「それはいいねえ」 あのタイトな乗り継ぎに最初から不安を抱えていた私は、正直安心しました。これなら安心だー。 「そんでね、それに乗る特急が、夜の八時なんだ」 「……ほう」 今はまだお昼ぐらいです。いきなり夜までばっくり時間が空いてしまったようです。どうしよう。 三人で相談したところ、ヒマなので青森の近くの浅虫温泉というところに行くことにしました。勿論、そんなところに行くなんて10分前には全く考えたこともありませんでしたが。 しかしすでに疲労困憊はなはだしいことになっており、温泉なんていいかもしれません。いやすごくいい。 「じゃあ行ってみよう」 「おー」 ふってわいた突然の温泉に三人の心は一つになり、とりあえず駅で腹ごしらえして(留さんはBランチを食べたようだ)、鈍行列車に気楽に乗りこみました。 鈍行とはいえ最初の不安暗闇列車と違い、ほどよく天気も良くて明るいお昼ぐらいの時間。 楽しい気分で辿りついた浅虫温泉駅はのれんがかかっていて、なんともいいほのぼのしさ。横の噴水みたいなところには温泉が流れています。おおおうステキじゃないですか。しかも近くには浅虫水族館もあるらしい。キャー。 さて早速温泉に入ろうかと駅の温泉マップを見てみると、何百円かで温泉だけ入れる施設もある様子。いくつかあるそれを適当に選んで、真盛館というお宿にトコトコと行ってみました。 そこはなんか、小さいこぎれいな民家みたいな感じの場所でした。お風呂も三人も入ればいっぱいだろーというほのぼのしさです。
他にお客さんもあまりいません。着替えてちゃぷーんと入ります。ほのぼの。 「いい……、すごくいい」 「いいところだね……」 「うん……」 温泉はいいねえー。 というか今頃は鈍行を乗り継いでいる予定だったのに、なんでこんなところでのんびり温泉に入っているのか、ゆっくりしつつもどこか気分はアメイジングです。 ほどよくホコホコになったところで、時間もあるので例の水族館に行って見ようかーということになりました。徒歩数分で行けて近いんです。 道は海沿いで、たいへん綺麗です。天気も良くてトコトコ歩いて行く我々。 その途中、神社があることに気がつきました。「あっ神社だー」「いこうー」と軽いノリで近づくわたしたち。 蜂に襲われる。 ギャー、ワー! 突然の敵に叫びながら、参拝せずに退散。アホだ……。しかし蜂は狛犬よりも強力ですだ。ぜえぜえ。 まあ相変わらずそんなことしながら水族館にたどり着きました。 正直そんなに期待しないで行ったのですが、小樽水族館みたいな感じで、綺麗で大きくてなかなか立派です。なんとイルカショーもある模様! おおう。イルカイルカ。 ふつーの水族館に来たのと同じように楽しくエイとかサカナとかを眺めたりしましたが、時間が来たので小走りでイルカショーに到着です。どうやらこれが最終の回の模様。 イルカでかい! イルカ空を飛ぶ!(二匹で) イルカ芸をする! どっぱーん。 ばっしゃーん。 うおおー! 「イルカすごい! イルカすごいね!」 「イルカすごかったね!」 ボキャブラリーがそれしかないのか、というくらいイルカを褒め称える我々。いやあ、やっぱりイルカは素晴しい。 そんなこんなですっかり夕方になったので、すばらしき浅虫温泉駅に満足してもとの青森駅に向かうわたしたち。 帰り道には留さんが海沿いのお店で大福買ったりなんかして、楽しくいい気分です。 夕ごはんに駅で杵屋のうどんに入ります。それ札幌にもあるだろうとツッコミを入れながら、私は源平うどん温、留さんはいなり定食のうどんといなりを食べます。おいしい。もぐもぐ。 そのうえ私は好物の茶屋の餅とくじらもちを買いました。なにやら全くぜんぜん予定になかった青森観光を、すごい満喫するわたしたち。 たいへん満足して急行八甲田に乗りました。ありがとう青森。 今度もまた夜通し走る列車です。どうやら、これに乗っていれば朝には東京に着く予定らしいです。なんか昨晩もそんな感じだった気がしますが、今回はカーペット席ではありません。立派な特急の座席です。 身体を横にできずに多少寝づらいですがカーペット(畳だったけど)に比べれば天国。おやすみなさいー。ぐう。
ガタンガタン……。 ガタンガタン……。 ……。 やっぱり寝づらいな。 他の座席がいっぱい開いているので、そっちで二席分使ってゴロンと勝手に寝かせてもらうことにします。ぐう。 ……。 ……。 「あの、そこ、僕の席なんですが」 「あっ、すみません!」 他に席がいっぱい開いているのに、よりによって途中からの駅から乗る人の席に寝てしまった私。というか自分の席以外に行ってはいけません。 うー、いかんいかん。こっちに行ってみよう。ぐう。 ……。 ……。 「あの、そこ、僕の席なんですが」 「あっ、すみません!」 そんなことを繰り返しながら、夜は更けていったのでした。だから空いてるからって勝手に他の席に寝るなって。昨日に引き続き、やっぱりうまく眠れていないのでした。ぐう。 ~今日のメモ~ 不用意におみやげを開けない(千) 豪雨の影響ではつかり12号に乗れず。サイフを枕の下におくべからず。(留)
がたんごとーん。 三十分くらいの遅れなら焦りもしますが、二時間くらいも遅れるともう悟りの域に達する我々。 考えたってもうどうしようもないよねーという気分が蔓延し、とりあえず北海道を脱出して予定通り青森までは行って、それから絶対間に合いそうにない次の列車について駅の人と交渉してみよー。ということになりました。だって遅れたの私達のせいじゃないし。 ともあれやっと日差し明るい函館駅にたどり着いてホームを歩き、しばらく経ってからIさんが恐ろしいことに気付いてしまいました。 「……列車に、サイフ、忘れた」 「「ええええええっ!」」 驚愕する留さんと私。これは大変です。弾薬をなくしてはどんなマシンガンも打ちようがありません。 「戻って探してくる!」 「急げ!」 大荷物をかかえて猛ダッシュする女子三人。若いなあ。とか言っている場合じゃありません。列車が出て行ったりしてしまえばかなり取り返しのつかない事態に発展します。 ダメだったら駅と警察に届けてとりあえず札幌に引き返すかとか思いを巡らしましたが、無事に回収できた様子。ほうー。 ゼーハー、ゼーハー。 「……」 「……」 この旅のペースで、心臓がもつのだろうか。 ちなみに後でみた留さんのメモには「サイフを枕の下に置くべからず」と書かれていました。うん。みんなやめようね。 とりあえず特急列車に乗って青森へ。なにやら明るくこぎれいな特急列車で、ようやく人心地ついた気がします。いややっぱカーペット席はちょっと身体負担が大きかったし。
とりあえず明るい車内で京極夏彦の鉄鼠の檻を読む留さん。今考えると、何故そんな重いものを。 辿りついた青森駅の窓口に行って、留さんとIさんが交渉してくれることになりました。なにせ次に乗る予定の特急はつかりは指定席だったのです。ここはJRになんとしても責任をとってもらわなしゃあない。 どうやら同じ列車の同じような状況のほかの人たちもいて、当たり前に交渉している模様。私は役立たずなので荷物番です。 二人が戻ってきました。 「どうだったの?」 「うん、JRの責任だからってきっぷ変えてくれて、お金を足して青森から上野まで特急一本で行くことになった」 「それはいいねえ」 あのタイトな乗り継ぎに最初から不安を抱えていた私は、正直安心しました。これなら安心だー。 「そんでね、それに乗る特急が、夜の八時なんだ」 「……ほう」 今はまだお昼ぐらいです。いきなり夜までばっくり時間が空いてしまったようです。どうしよう。 三人で相談したところ、ヒマなので青森の近くの浅虫温泉というところに行くことにしました。勿論、そんなところに行くなんて10分前には全く考えたこともありませんでしたが。 しかしすでに疲労困憊はなはだしいことになっており、温泉なんていいかもしれません。いやすごくいい。 「じゃあ行ってみよう」 「おー」 ふってわいた突然の温泉に三人の心は一つになり、とりあえず駅で腹ごしらえして(留さんはBランチを食べたようだ)、鈍行列車に気楽に乗りこみました。 鈍行とはいえ最初の不安暗闇列車と違い、ほどよく天気も良くて明るいお昼ぐらいの時間。 楽しい気分で辿りついた浅虫温泉駅はのれんがかかっていて、なんともいいほのぼのしさ。横の噴水みたいなところには温泉が流れています。おおおうステキじゃないですか。しかも近くには浅虫水族館もあるらしい。キャー。 さて早速温泉に入ろうかと駅の温泉マップを見てみると、何百円かで温泉だけ入れる施設もある様子。いくつかあるそれを適当に選んで、真盛館というお宿にトコトコと行ってみました。 そこはなんか、小さいこぎれいな民家みたいな感じの場所でした。お風呂も三人も入ればいっぱいだろーというほのぼのしさです。
他にお客さんもあまりいません。着替えてちゃぷーんと入ります。ほのぼの。 「いい……、すごくいい」 「いいところだね……」 「うん……」 温泉はいいねえー。 というか今頃は鈍行を乗り継いでいる予定だったのに、なんでこんなところでのんびり温泉に入っているのか、ゆっくりしつつもどこか気分はアメイジングです。 ほどよくホコホコになったところで、時間もあるので例の水族館に行って見ようかーということになりました。徒歩数分で行けて近いんです。 道は海沿いで、たいへん綺麗です。天気も良くてトコトコ歩いて行く我々。 その途中、神社があることに気がつきました。「あっ神社だー」「いこうー」と軽いノリで近づくわたしたち。 蜂に襲われる。 ギャー、ワー! 突然の敵に叫びながら、参拝せずに退散。アホだ……。しかし蜂は狛犬よりも強力ですだ。ぜえぜえ。 まあ相変わらずそんなことしながら水族館にたどり着きました。 正直そんなに期待しないで行ったのですが、小樽水族館みたいな感じで、綺麗で大きくてなかなか立派です。なんとイルカショーもある模様! おおう。イルカイルカ。 ふつーの水族館に来たのと同じように楽しくエイとかサカナとかを眺めたりしましたが、時間が来たので小走りでイルカショーに到着です。どうやらこれが最終の回の模様。 イルカでかい! イルカ空を飛ぶ!(二匹で) イルカ芸をする! どっぱーん。 ばっしゃーん。 うおおー! 「イルカすごい! イルカすごいね!」 「イルカすごかったね!」 ボキャブラリーがそれしかないのか、というくらいイルカを褒め称える我々。いやあ、やっぱりイルカは素晴しい。 そんなこんなですっかり夕方になったので、すばらしき浅虫温泉駅に満足してもとの青森駅に向かうわたしたち。 帰り道には留さんが海沿いのお店で大福買ったりなんかして、楽しくいい気分です。 夕ごはんに駅で杵屋のうどんに入ります。それ札幌にもあるだろうとツッコミを入れながら、私は源平うどん温、留さんはいなり定食のうどんといなりを食べます。おいしい。もぐもぐ。 そのうえ私は好物の茶屋の餅とくじらもちを買いました。なにやら全くぜんぜん予定になかった青森観光を、すごい満喫するわたしたち。 たいへん満足して急行八甲田に乗りました。ありがとう青森。 今度もまた夜通し走る列車です。どうやら、これに乗っていれば朝には東京に着く予定らしいです。なんか昨晩もそんな感じだった気がしますが、今回はカーペット席ではありません。立派な特急の座席です。 身体を横にできずに多少寝づらいですがカーペット(畳だったけど)に比べれば天国。おやすみなさいー。ぐう。
ガタンガタン……。 ガタンガタン……。 ……。 やっぱり寝づらいな。 他の座席がいっぱい開いているので、そっちで二席分使ってゴロンと勝手に寝かせてもらうことにします。ぐう。 ……。 ……。 「あの、そこ、僕の席なんですが」 「あっ、すみません!」 他に席がいっぱい開いているのに、よりによって途中からの駅から乗る人の席に寝てしまった私。というか自分の席以外に行ってはいけません。 うー、いかんいかん。こっちに行ってみよう。ぐう。 ……。 ……。 「あの、そこ、僕の席なんですが」 「あっ、すみません!」 そんなことを繰り返しながら、夜は更けていったのでした。だから空いてるからって勝手に他の席に寝るなって。昨日に引き続き、やっぱりうまく眠れていないのでした。ぐう。 ~今日のメモ~ 不用意におみやげを開けない(千) 豪雨の影響ではつかり12号に乗れず。サイフを枕の下におくべからず。(留)
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