小娘3人若気が至った東京旅行のたびin1997  その1 やっぱり僕たちの旅行は昔から絶対に思うようには進まないのだった編

  1997年8月12日 雨  というわけで、思い出しながら始めてみます昔の旅行(12年前)。  あれは我々がうら若き妙齢の時分(バカ時代ともいう)のこと。  これは共に過ごした高校時代(もっとバカ時代)から離れてそれぞれの道を暮らしていた三人が、単に東京へ旅をするだけというスカポンタンな記録である。  はるか昔。  私と、このブログによく出てくる留さん、それと新たに出てくるIさんの三人は東京旅行のたびに行くことにしました。  目的は、すでに東京の美専に通っているTさんと、この頃からコミケに出ているめづさんに会いに行きがてら東京旅行をしようぜ! というコンセプトでした。というか、そうだったのかもしれない(うろおぼえ)。  ちなみに、今回出てくる五人は全員同じ高校の同級生で、学生時代は今思い返せばそんなにビッチリ一緒にいたわけでもないと思うんだけどと思う。そんな感じだったりします。
 んで旅行の計画ですが、私といえば、なんとなく分かる人は分かると思いますが、時刻表とか計画を立てるとか全くもって苦手という人間なので、計画は留さんとIさんに丸投げしました。この辺は何年経ってもあまり変わらないな。  で、一応打ちあわせには参加して、希望を伝えて自分のしおり(なんと三人だけなのに旅のしおりが作ってある)の分担だけはしたものの完全に計画にはノータッチで、何時どこで何をするのかイマイチ、いや全く分かっていませんでした。  そんで気がつけば、4泊5日の計画でした。若いって凄い。  しかし若いがゆえに金がないので、泊まりは全部東京で一人暮らしをしているTさんの家に泊まる、という計画だったようです。  そして飛行機や特急ではなく、青春18きっぷを使って列車を細かく乗り継いで、鈍行か快速で上野まで行くという計画でした。若いなあ。  私といえばタイトなスケジュールの乗り継ぎに若干の不安を感じながらも、自分の立てた計画じゃないから何も言わずに大人しくポコポコ計画に乗っかろうとしていました。いや乗っかりました。 「そんで結局、当日は何時にどこで集まればいいの?」 「夜11時26分、札幌駅」 「……」  いきなりの深夜出発です。正確にはこれは列車の時刻で、待ち合わせはもう少し前ですが。  しかもいきなり、留さん待ち合わせに遅れる。その間にドーナツを4つも買う私。もぐもぐ。結局留さんも朝食用にドーナツを買う。もぐもぐ。  まあそんなことしつつ無事に合流して普通に列車に乗り込みました。快速ミッドナイトってやつです。  どうやらこれに乗って朝には函館に着いて、それから七回くらい乗り継ぐ模様。  ちなみに最初に乗ったこの列車の席は「カーペット席」というもので、これは普通の列車の座席ではなく、列車の座席のない平たいところにカーペットが敷いてあって、そこに見知らぬみんなでフトンを敷いて眠りながら夜をすごし、朝になったらアラ目的地に着いているわという一見ステキに聞こえるシロモノです。  しかし私は何度か乗ったことがあるのですが、これは列車の振動が全身にガンガンと、しかも六時間くらい連続でダイレクト攻撃を加えるという、こいつはほんとにまったくまあ寝心地最悪という恐ろしいシロモノです。かなり内臓にダメージが来ることうけあい。 まあでも、私はコレに乗るのも三回目くらいなので多少は慣れで我慢できるかなというところです。  しかし今回。  なんかカーペットじゃなくて、畳。(違う車両にはカーペットもあるけど)
 ……。
 看板に偽りありにも程がある。  まあ仕方ないです。なにしろ金がないくせに東京に行こうというのですから、アンタこのくらいは我慢しなさいというものです。  でもなんかお盆の時期のせいかとても込み合っていてきつきつです。夜なのにガーガー喋ってうるさい女の人もいます。  まあ我慢して朝の六時くらいになったら着いているはず。やっぱり寝心地は最悪でうまく眠れませんが、頑張りましょう。ぐー。  ……。  ……。  ……。  時が経ち。  明るくなってきました。だが。  何かがおかしい。周りの乗客も、不安そうにボソボソ囁きあいます。 「ねえ、この時間でなんで着いてないの?」 「うん……、遅くない?」 「もう、予定の時刻とっくに過ぎるんじゃない……?」  不安にガタゴト揺れる列車。  どうやら雨のせいで事故を怖れてか、列車がもの凄くゆっくり走りすぎて、もの凄く到着時刻が遅れているのです。 そんな恐ろしい事実にうろたえる小娘女子三人。 時折、雨のせいで列車が遅くなっているというアナウンスは入るのですが、それにしたってもの凄く遅い。かるく二時間くらいは遅れています。  到着時刻はとっくに過ぎているのに、まだガタンゴトンと大沼(国立公園)のあたりを揺れています。 「これ、ちゃんと辿りつくのかな」 「というか、計画が……」 「あ」  そう、最初に言ったとおり、今回はかなりタイトに鈍行や快速を乗り継ぐスケジュール。少しでも遅れは命取りです。その上これだけ遅れるとなると、命とりどころか魂砕きです。 「どうしよう」 「どうしようか」 「もしかしてまた、あの計画練り直すの……? いま時刻表もないのに……」  それは避けたい。  小娘三人の不安を乗せて、いつまで経ってもがたごと揺れる列車。開始一日どころか六時間くらいで大ピンチ。というかコレどないせーっちゅーんじゃ。女子三人は、無事に東京にたどり着くことができるのか(やっぱり決まりきったようなヒキ)。  ~今日のメモ~(旅のしおりのメモより抜粋) 寝方には気をつける ドーナツの買いすぎには気をつける 飲み物の飲みすぎに気をつける もう少し計画を理解する


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